2009.11.23 Monday
と質問されたら、迷わず
「リンゴ!」
と答えるほどに(聞かれたことはないけど)リンゴ好きな私。
常識はずれの無農薬・無肥料のリンゴ栽培に挑戦した木村さんの話は、
テレビなどでも取り上げられているし、
新聞の広告欄でも『奇跡のリンゴ』というタイトルの文字を何度も目にしていた。
何気に「奇跡のリンゴ」を検索してみたら・・・
え?この方、スピリチュアルな人だったの〜?!
「不可能と言われた無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功した人がいるんだよ。」
「ふん、ふん・・・」
と、夕食のテーブルで夫と娘に話してみた。
「きっかけは、農薬を撒くたびに奥さんが具合を悪くして寝込んで・・・」
「うん、うん、結構そういことがあるんだろうなあ〜」
「リンゴの木、一本一本に話かけるんだって。」
「おう!植物も生きてるんだよ!」
「あ、でね、その人宇宙人に会ったことがあるんだよ。
龍も見たことがあって〜」
「どっひゃあ〜!」
ガクッ!!と笑い出す夫と娘。
「もう・・・真面目に聞きよったのに〜。
宇宙人の一言でがっくりきた〜。」
ありゃりゃ〜、でも、まあ・・・これが普通の反応なんだろうなあ。
というわけで、興味津々でこの本を読んでみた。
挑戦が始まってから7年間、試行錯誤は続く。
家族を巻き込んで極貧にまで堕ちてしまった生活苦はもとより
田舎特有の濃密な人間関係の中でのバッシングも過酷なものがあり、
ついに絶望の極地に達した木村さんは自殺を試みる。
しかし、いよいよ実行という場面で、
何故かまぬけにズッコケてしまう木村さん。
天は、彼に死ぬことを許さず、
代わりに、大きなヒントになる光景を見せてくれたのだった・・・
それから、4年後、木村さんのリンゴ畑に満開の花が咲く。
ご本人は、人に恵まれている、と語っておられるが、
客観的に見れば、それは木村さん自身が引き寄せているのだ。
実際には、嫌な目に遭ったり、
それこそ理不尽に攻撃されたりもしている。
でも、木村さんという人は、
理不尽に自分を攻撃した人達に憤りながらも、
決して自分の方は攻撃しない。(必要な主張はするとしても)
不快感を、憎しみとか恨みに繋げて持続したりしない人なのだ。
・・・と、こういう人はたまにいる。
が、木村さんの場合はさらにすごい。
ご本人は何もしないのにやがて、
自分を「敵視」していたはずの彼らの方から謝ってきたりするのである。
この本の表紙の笑顔!
これが、木村さんの人柄の本質だと思う。
無農薬・無肥料というと、当然自然農法なんだろうなあと想像する。
でも、木村さんは、自然農法もまた人間本位の感覚ではうまくいかない、
「自然を活かして生きる」という考え方が重要なのだと説く。
リンゴの立場、自然の立場、で考えるのだ。
それも、当たり前のように。
その視点は優しく暖かで、知的だ。
素朴な文章の中に、(一気に読める)
リンゴ栽培を越えたメッセージが満載。
不思議話も満載!
印象的なエピソードを一つ。
リンゴの木の周りの雑草(下草)を刈らないと
土の温度は一定に保たれる。
これを利用して、夏の間は草を刈らず
外気が30度でも土は24〜25度にする。
そして、秋になって気温が下がり始めた時
今度は土の温度が外気より上になってしまう。
そこで、草を刈って土の温度も下げてあげると
リンゴは秋になったことを知り、色づきだすのだそうだ。
自然に、と言ってもほったらかしは違うのである。
(ほったらかしの庭を反省する私・・・)
そういえば、土曜の夜のNHK「ワンダー×ワンダー」で似たような感動を味わった。
「空飛ぶ消防士〜シベリア大火災に挑む〜」というタイトルに、
どんなカッコいい最新鋭の消防隊かと思ったら、
信じられないくらいのアナログな手作業の消火活動をやっていて目を見張ったのだ。
国家の資金不足など重たい問題もあるのだが、
低賃金の身の上で命を懸けて働く彼らは、朗らかで誇りに溢れていた。
迫り来る火の手にやむなく伐採の決断をし、
自らチェーンソーで木を切った後つぶやいた隊長の言葉。
「この木は200年も生きてきたんだ・・・
こんな若造に切られたくないだろうに・・・」
たくましくてカッコいいのに自らを「若造」なんて言い切る隊長に思わずメロメロ〜!
って、そんなことじゃなくて、
「謙虚さ」と「誇り高い」ってことはセットなんだなあと思ったのだった。
木村さんと一緒。







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